PH5は、北欧の照明ブランド、ルイスポールセンが市場に出している象徴的なペンダントライトです。
デザイン誌やインテリアの世界でよく見かけるため、その洗練された見た目に惹かれる人が多いのも頷けます。
でも、実際にどうやって取り付けるか、PH5がどんな空間に合うのか悩ましいところです。
特に、ある特定の条件では、PH5が照明としての役割を果たせずに、ただのおしゃれな飾りになってしまうことがあります。
こんな結果は、PH5にお金を出す以上、避けたいですよね。
PH5は価値ある投資をする価値があるものですが、後悔したくないですからね。
そこで、この記事では、PH5を選ぶ際に避けたい状況と、成功させるための重要なポイントを、お伝えします。
PH5の購入を考えているみなさんにとって、この情報が役立つことを願います。
PH5ペンダントライトが合わないシーン
PH5ペンダントライトが活かせない環境を解説します。
日本の伝統的な家屋
日本の伝統的な和室では、洋風のインテリアがなじみにくいことがあります。
PH5は北欧のデザインを基にしており、シンプルでモダンな外観は一般には万能とされていますが、実際には西洋の現代的な空間に合わせてデザインされています。
そのため、和室でPH5を使う場合は、その組み合わせに配慮が必要です。
一部からは、西洋風の家具と同様に、PH5も和室には合わないとの指摘もあります。
天井の低い部屋
PH5は目を引く大きなシェードが特徴ですが、これが天井の低い部屋では逆効果となり、空間を圧迫してしまうことがあります。
特に、天井が低く部屋が狭い場合、PH5はその魅力を十分に発揮できず、圧迫感を与えてしまう恐れがあります。
狭いリビングダイニング
狭いリビングダイニングスペースにPH5を設置すると不向きな場合があります。
キッチンの照明やダイニングテーブル上のPH5、リビングエリアの照明が近くに配置されると、照明同士が干渉し合い、空間全体が必要以上に明るくなってしまうことがあります。
このような状況では、PH5を消す以外に手段がなく、その本来の機能を活かせなくなります。
PH5は自然で柔らかな光が魅力ですが、他の照明との併用が難しい場合、その魅力を享受することができません。
結果として、狭いリビングダイニングではPH5を上手に活用することが難しく、装飾的な存在にとどまってしまうことがあります。
PH5ペンダントライトの特長
ルイスポールセンは、1874年創立の長い伝統を持つ照明メーカーです。
このブランドは、デザインにおける「形から生まれる光の操り方」を大切にしており、その結果、見た目の美しさだけでなく、高い機能性を持った照明を世に送り出しています。
PH5ペンダントライトは、照明デザインのパイオニア、ポール・ヘニングセンが1958年にルイスポールセンと共に手掛けた名作のひとつです。
ヘニングセンのデザインしたシリーズは、彼のイニシャルを冠してPHシリーズと名付けられ、中でもPH5は広く知られています。
ヘニングセンの設計理念の核心は、不快な眩しさを取り除くことに焦点を当てた照明の作り方にあります。
そのアプローチの結果、PH5は眩しさを感じさせず、柔らかく温かいオレンジ色の光を放つようになりました。
このユニークな光は、三つの特徴的なシェードによって作り出され、これらのシェードが光を上手にコントロールし、目に優しい理想的な光を生み出します。
加えて、PH5はダイニングテーブルをまるでスポットライトで照らすかのようにして、食事を引き立てる効果があります。
このようにして、PH5はただ空間を明るくするだけでなく、特別な雰囲気を創り出すことができるのです。
後悔しないためのPH5選びのポイント
PH5を選ぶ際に注意すべき不向きな状況は既にお話ししましたが、適切な環境であっても次に挙げる二つのポイントを見落とすと、購入した喜びがすぐに後悔に変わってしまうかもしれません。
PH5を最適に活用するためには、以下の二つのポイントが特に重要です。
正しい設置高さ
PH5を取り付ける際の高さは、その美しい光を最大限に生かすために非常に重要です。
適切でない高さに設定してしまうと、PH5の光が期待通りに部屋を照らさず、結果として光が強すぎたり弱すぎたりすることがあります。
PH5を理想的に設置する高さは、テーブルの上面からライトの最下部まで60cmから70cmの範囲が目安です。
これは、座った時にライトが目線のちょうど上に来る高さです。
設置高さは、ライトのコードを調整することで変更可能です。
購入する際には、販売店で高さの調整を依頼できますし、コードを切るのが不安な場合は、コードの長さを調整できるパーツも販売されています。
購入後に設置で不満が残らないよう、設置高さの調整には注意を払いましょう。
テーブルの大きさとのマッチング
PH5ペンダントライトは、食卓の雰囲気を特別なものにするユニークな光を提供します。
しかし、この光をテーブル全体に均等に届けるには、テーブルの大きさが重要です。特に、テーブルが大きすぎると、PH5の光が望むように広がらず、期待に応えられないことがあります。
不透明なシェードを使用している照明では、照明がテーブルの適正なエリアに光を配分するには、メインシェードの直径がテーブルの面積の約3分の1であることが理想的とされています。
例えば、PH5のメインシェードの直径は50cmです。通常の4人掛けの長方形テーブルの幅は、約120cmから160cm、円形テーブルの場合は直径が約120cmです。
これを基準にすると、テーブルの約3分の1の面積は40cmから53cm程度となり、PH5は一般的なテーブルサイズに適しています。
しかし、長方形で幅が161cm以上、円形で直径が151cm以上のテーブルでは、テーブルが広すぎてPH5からの光が均一に広がらないことがあります。
逆に、テーブルが小さすぎる場合は、PH5の光が集中しすぎることで、その魅力を存分に感じられない可能性があります。
そのため、PH5を選ぶ際は、テーブルの大きさにも配慮することが大切です。
ルイスポールセンの注目すべき照明デザイン
ルイスポールセンは、PH5だけでなく、様々な名作照明をラインナップしています。
ここでは、特におすすめしたい2つの照明デザインをご紹介します。
パンテラ フロアライト
1971年にデンマークの有名デザイナー、ヴァーナー・パントンが手がけたパンテラ フロアライトは、独特の半球形シェードが特徴です。
発表から50年以上が経過した今でも、その時代を超えたユニークなデザインは多くのファンから愛されています。
部屋のアクセントにも、空間に温かみを加える照明としても最適です。
AJ テーブルライト
AJ テーブルライトは、75度まで自由に角度調整が可能なスタイリッシュなテーブルライトです。
このライトは、デンマークのデザイナーであるアルネ・ヤコブセンによってデザインされました。
シャープで洗練された外見と、豊富なカラー展開が魅力的です。
学習用や作業用の照明としてはもちろん、キッチンやリビングなど、さまざまな場所で使いやすい汎用性を持っています。
ルイスポールセン照明の選び方まとめ
PH5に適さない状況について詳しく見てきました。
大切なことは、PH5を選ぶ際にはそのユニークなデザインと照明の特性をしっかりと理解し、活かすことが非常に重要であるということです。
PH5は単なる照明器具以上のものであり、テーブル上に優しく光を落とすように緻密に設計されています。
そのため、どこに設置するかも慎重に選ぶ必要があります。
特に和風の家や狭い間取りの家では、PH5のデザインが意図する通りに合わないこともあります。
PH5は多くの人にとって憧れの照明であり、その価格も高めです。
ですから、後悔のないように、ここで挙げたPH5に不向きな例や、成功させるためのポイントをよく考えてから選んでいただきたいと思います。
それでは、今回はここまでとさせて頂きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。